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裁判員裁判傍聴 [法廷通訳]

先週と今週2回連続でスペイン語通訳要裁判員裁判を傍聴してきました。
通訳人は一人で、二週連続で裁判員裁判を担当されていて、負担はかなり大きいと思いますが、先週も今週も非常に正確で丁寧で、かつ、迅速な通訳をされていて、感動しました。
機械のように自動的にスペイン語から日本語へと情報の漏れなく変換されていく様にみえましたが、これは、日ごろからの通訳トレーニングの賜物で、高い通訳スキルを有する「匠の技」でした。
どちらも否認事件でしたので、一言一句の訳が重要になり、リスク管理の面からは二名体制で臨むのが理想だと思います。しかし、通訳を二名で担当するには、一人でやるのとは違う負担も出てきます。
訳語の統一をどうするのか、仕事の分担をどうするのか、お互い気心がしれた信頼関係のある同じレベルの二名の通訳でなければなかなかうまく機能しません。裁判員裁判を担当する可能性のある通訳者が今、最も懸念していることだと思います。
連日開廷で、長時間の通訳を一人でやるには、集中力をいかに維持するかが課題になりますが、日本語話者同士の会話でも聞き間違いによる誤解も生じれば、二通り異常の解釈が可能な発話もあります。裁判官、裁判員、検察官、弁護人、書記官が複数人数で対応しているのに、通訳人だけ一人でやっているのを見ると、通訳人が酷使されているようにみえてしまいました。
今週の事件は被告人が無罪主張をしていて、金曜日に判決です。

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裁判員裁判と法廷通訳 [法廷通訳]

今週、初めての通訳つき裁判員裁判がさいたま地裁でおこなわれ、新聞に法廷通訳に関する記事が多く取り上げられていますね。
9月11日付けの朝日新聞では3日間の裁判を傍聴した津田先生のコメントが載っていた。特に、二人体制で臨んだタガログ語の通訳人が、語彙や訳語の選択を統一し、互いをうまくサポートしあうことに成功していたとのこと。初めての通訳つき裁判ということで、注目されていたので、通訳人の方々はさぞかし重いプレッシャーにさらされていたことと思います。本当にお疲れ様でした。
従来の裁判では、通訳人は一人でしたが、裁判員裁判では連日開廷され、長時間連続の公判が開廷されることもあり、複数の通訳人体制で臨むところが多いようです。
会議通訳でも通訳パートナーとの相性や力量の差で、うまくいくかどうかが決まるので、ただ二人いればいいという問題ではないのは明らかですが、二人体制が定着して、通訳同士が互いをうまくサポートし合えば、疲労によって集中力が欠けたための誤訳などは防げるでしょうし、効果的ではないか、と思います。ただ、法廷通訳人は今まで一人でやってきているので、会議通訳など他の通訳形態で二人体制になれていない人も多いのではないかと思います。これから、二人で協力し合って通訳することになれる必要もあるかもしれません。その意味では、今回うまく作業を分担され、サポートに成功したタガログ語のお二人の通訳人がどのような準備をし、公判ではどのように分担し、サポートしあったのか、経験を知りたいと思います。特に訳語の統一をどうしたのかに興味があります。

また、9月9日付けの同紙にも、同じ裁判について開始前のコメントが掲載されています。
「通訳は完璧ではない」と思って欲しいというコメントがありますが、まさにその通りだと思います。でも、厳密に言えば、異なる言語から100%同じ意味・解釈をもたらすような訳出は物理的に不可能であるということを意識する必要があるのではないかと思います。日本語話者が出来事を見て(経験して)、解釈して、言語で表す仕方と、他の言語話者が同じ出来事を見て(経験して)、解釈して、言語で表す仕方が異なるということ。質問も、いろいろな方向から時間をかけて何度もしないと、最初の質問に対する答えだけで解釈・判断してしまうと、「異文化」の差異による誤解が残ったままであるかもしれないと危惧します。

このように頻繁に法廷通訳の問題が新聞に取り上げられることは今までなかったことだと思います。まだ、裁判員裁判の通訳は始まったばかりで、これから回数を踏むことによって、様々な具体的な問題点が出てくるのだと思います。そのころに、この「ブーム」が去っていないことを願いつつ・・・

追記 刊『言語』9月号は「裁判ことばの言語学」という法と言語の特集です。とても興味深い論文が満載です。私も「法廷通訳と異文化の壁」というテーマで執筆させてもらいました。相変わらず、なかなかかけずに苦労しました(ご迷惑をおかけしました。)
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法廷通訳研修会のお知らせ [法廷通訳]

今月の3日から初めての裁判員裁判が実施され、テレビ・新聞などで詳細な報道がなされました。まだ。通訳事件は実施されていませんが、今後法廷通訳をしている者は、連日開廷、しかも朝から夕方までの長時間の公判の通訳に耐えうるのか不安に思っている人が多いようです。

さて、関西の同僚通訳者から研修会のお知らせをいただきました。
くわしくはこちらをご覧ください。
HPから少し抜粋すると、下記のようになります。
東京では、9月26日と27日が予定されています。
法廷通訳認定制度の準備が進められているという一言も書かれています。
裁判員制度がきっかけとなり、法廷通訳にも関心が少しながらも高まっているようです。
関心を持たれた方は、直接主催団体へお問い合わせください。

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http://www.t-ikeda.com/houtei-tsuyaku.html

主催:日弁連法務研究財団 法廷通訳研究会

法廷通訳は,刑事裁判において,判決の結果をも左右しかねない重要な役割を担っています。
現状では,法廷通訳になりたい人が裁判所へ登録すれば,誰でも通訳をすることができます。ところが,外国人要通訳事件が増加傾向にある中で,十分な知識や技術,能力を備えた法廷通訳の数は不足しています。
今年5月から導入された裁判員制度による裁判では,被告人の発言を正確に裁判員に伝えるためにも,被告人と裁判官・検察官・弁護人をつなぐ法廷通訳の立場は,さらに重要なものとなります。
今回の研修会では,実施を計画中の法廷通訳資格認定試験制度に向け,法廷通訳を行なう上で必要な知識の習得を目指します。すでに法廷通訳として活動されている方だけでなく,これから法廷通訳を目指すという方も,ぜひご参加下さい。
なお,今後,高等裁判所設置都市である名古屋,福岡,広島,仙台,札幌(高松は除く)においても,同様の研修を行なう予定です。
(中略)

主催: 日弁連法務研究財団 法廷通訳研究会

代表: 長尾ひろみ(神戸女学院大学教授)
連絡先: 法廷通訳研究会事務局
弁護士法人 池田崇志法律事務所内
電 話 06-6311-1500(電話受付:午前9時30分~午後5時)


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異文化コミュニケーションと法廷通訳人 講演会のお知らせ [法廷通訳]

日本翻訳者協会の3月月例ミーティングで「異文化コミュニケーションとしての法廷相互行為における通訳人の役割再考」というテーマでお話をさせていただくことになりました。
詳細は http://jat.org/ をご覧ください。

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司法通訳人ネットワーク [法廷通訳]

昨日土曜日にほぼ1年半ぶりにJIネットワークの勉強会に出席しました。JIネットワークとは司法通訳人または司法通訳人を目指している人たちのネットワークで、年に4回弁護士の先生を招いて法律に関する勉強会をしています。久しぶりに参加して、懐かしい顔、全く知らない新しい人たちと顔ぶれはいろいろでしたが、皆真面目に講義に聞き入っていました。
今までは、刑法の用語の解説をしてもらっていましたが、今回と次回は民法についての解説でした。法廷通訳というとほとんどが刑事事件を担当するのですが、最近は民事事件でもよばれることが増えてきているようです。
私自身も地道にこのような会での勉強を続けていかなければとあらためて思いました。
まだまだ現役の通訳者の参加が少ないのが残念です。


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